銀座金春通り

中央通りから花椿通りに入り、次の交差点を左に曲がると金春(こんぱる)通りとなる。

新橋迄の約100m強の短い通りだが江戸の痕跡が残る独特の由緒ある道筋である。

江戸時代幕府直属の能楽者として土地や俸録を与えられていた。その家柄に今春、観世、室生、金剛の四家があった。最も歴史ある今春家は室町時代以来繁栄し、江戸時代初期から観世太夫と共に能を演じていた名家であった。金春屋敷は後に麹町に屋敷を移転したが、未だにこの地にその名をとどめている。能役者は一般の町人とは別格の待遇であったが拝領地に町人の居住を禁止するという規則は無かったので、能楽者の貸し長屋に町人が移り込むようになり、それと共に芸者も増えてきた。

江戸末期には現在の銀座7、8丁目が歓楽街となり、近辺の芸者は金春芸者と呼ばれるようになる。

大火を恐れた明治政府は銀座に延べ10㎞に亘る頑丈な煉瓦街を築き上げるが、関東大震災で焼失した。昭和63年に幻と云われた煉瓦街遺構が、嘗ての金春屋敷跡地内で発掘されたことで、その収蔵遺構を金春通りに建立することとなった。

 

年1回の8/7日金春通り最大のイベント奉納能楽祭が行われる。このお祭りは金春通りの路上能とし「奈良金春」独特の能楽に則り金春流宗家が自ら能を舞う。其を今年こそ観ようと思って楽しみにしていたが、残念ながらコロナ禍で3年連続中止となった。

 

花椿通りを左折して、直ぐに青看板の金春湯がある 。開業は何と1863年(文久3)で実に160年の歴史がある銭湯である。

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金春通り煉瓦遺構の碑
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独特の落着いた青緑を呈した金春色と金春通りの由来が書かれている。
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金春通りのレストラン

蕎麦処〇(まる)

 

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〈天せいろ蕎麦  1800円〉

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以前此処から出てきた50歳代のご婦人に

「とても美味しかったですよ、今だったら空いてますから行ってみて」と云われた。その時は既に他店でランチを済ませていたので入れなかったが、今回くだんのご婦人のお勧めもあったのと○と云う奇妙な名前と洒落た店構えに惹かれて訪れた。

店員さんからは鴨せいろもお奨めですと言われたが今回は天せいろ蕎麦にした。

帰り際にお口に合いましたかと聞かれたので

「まあ、まあだった。次回は鴨せいろ蕎麦を食べに来るよ」と応え店を出た。

 

数ヶ月前に行ったミッドタウン日比谷の蕎麦店に比べると少し味は落る。


〈以下の写真はミッドタウン日比谷のそばがみの天せいろ蕎麦〉
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出し巻たまご
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こちらの方は旨い。日本料理の名店「神谷」が提供しているので致し方ないとも云える。

ランチ価格は2500円位でリーズナブルと云える。

 

 

とんかつ檍(あおき)

此処も金春通りの名店である。狭い路地の地下にあるので場所は分かりずらい。同階にはバー「べろんちょ」、バー「パラダイス」がある。

12時前に店に着いたが既に10人程並んでいた。殆ど女性だった。ここの女性店員が手際が良く、それぞれの豚肉に関しても詳しく説明してくれた。上ロース200g1700円、特上ロース300g2200円であったが量の違いだけではなく肉質の感じとかで微妙に味も違うと云う。味の違いが肝心なので詳しく尋ねると、部位とかカツの仕上げ方が若干違うと云う。

「でも300gは多いと思いますので200gの方でも十分美味しいですよ」と云われたが微妙に味が違うとのことだったので300gはキツいと思ったが、御飯を半分にして特上ロースにした。

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特上ロースカツ定食
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流石に300gは応えるが食べ切った。支払い時くだんの女店員が「あら、食べられましたね」

と皿がきれいになっていたのを見て微笑んだ。この感じの良い女店員さんには此方も微笑まざるを得なかった。13時頃店を出たが、その頃は階段の上まで20人位並んでいた。

 

確かに美味しいが、並んで食べる程には思わなかった。梅林や三越レストラン街11Fにあるあんずの豚カツの方が上品に感じた。

ということで暫く銀座のカツレツは打ち止めとする。

 

(カツレツといえば表参道を入った青山の「まい泉本店」の甘い誘惑(5~10食限定)は実に感動的な美味しさだった。この甘い誘惑は本店のみでしか味わえない。場所柄外国人の客も多いせいか各席には英語のメニューがある。会計時、店長さんに「旨いっすねー」と思わず言ったところ、「有難う御座います。此れから店舗の改装に入りますが営業は続けておりますので、又是非お越しください」とのことだった。その後コロナ感染拡大となり3年間行っていない。

あとは四谷しんみち通りにある「かつれつ四谷たけだ」のもち豚ロースカツが美味しい。ここも何時も行列が出来ており、多くの著名人も訪れている)

 

この路地を抜ければ銀座中央通りに出る
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他に金春通りには久兵衛の本館、別館やフレンチの名店カーエム等がある。


かねまつビル
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1947年から続くシューズ、バッグの販売店「かねまつビル」の2FにあるLINTRO Cafeで

桃のショートケーキと珈琲を楽しむ。

銀座も端っこの方だと中央通りでも、かなり空いている。8階にはろくさん亭、7階には焼肉トラジが入っている。
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