人生とは身も蓋もないものである

眼が見えなくなり、歯はボロボロになり、

呂律は回らなくなり、皮膚は皺だらけとなり、足腰は立たなくなり、喰うことすら億劫になり、生きようとする意志は既に遂え、糞尿は垂れ流し、仕舞いには己が何者であるかさえ分からなくなるという厳しい現実が誰にでも訪れるのです。

人生とはかくも悲惨なものなのですが気が付いた時は後の祭りなのです。いや気が付くかどうかすら認識できなくなっているのです。考えれば考える程恐ろしいことではありませんか。しかもこの不可逆的な方向性は変わることがなく、100%確実であり、外れはないのです。

未だ未だ先のことだと言っている其処のあなたにも、そう遠くない未来に悲惨な末路はやって来るのです。何しろ地球は1秒間に500m自転し、20000m公転しているのですから。この驚異的な超高速回転の現実を前にして誰か恐れ慄かずにおられましょうか。まさに想像を絶する時の流れの中で時至れば我々は藪から出る棒につつかれ、或は埃が舞い散るように吹き飛ばされ、一刻の猶予もなく瞬殺されるのです。

 

それにしても誕生程怖ろしいものは無いのであります。嘗て書いたこともあるのですが、アメリカの作家アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」の中に"誕生とは最初に訪れる最も怖ろしい災難"という言葉があります。

この言葉のように、誕生すれば我々は一目散に死に突き進むしかないのですから確かに、これ以上の災難は無いのでしょう。

 

人はその目的地に到達するまでにやむを得ず退屈凌ぎをして時間を稼いでいるのです。

何れ取るに足らないまやかし事をしているに過ぎないのですが。

何せ人生、何事か成すには余りにも短く、何事も成さざるには余りにも長いものですから。何らかの時間潰しは必要なのであります。

こうまでして人生やらざるを得ないのです。

ほとほと憐れなものです。

摩訶不思議、奇々怪々、超常現象というしかないではありませんか。

 

成る程恋をして、夢を見た青春時代も確かにありましたが、全ては遠い幻影となってしまいました。

他人様との接触は途絶え、虚ろな心は感情の起伏を失い、何事にも反応性は乏しくなり、認知症さながらの状態になって行くのです。

 

幸か不幸か自分は足腰は未だ丈夫であり、歯、眼も問題なく、脳にいたっては40代の健常者の脳に等しく梗塞痕もなく、萎縮もないのです。臓器不全でも起こさない限り10年20年と生き長らえそうなのです。誠に桿(おぞ)ましい限りであります。

かくして私の毎日は恐怖に苛まれているのです。

 

墓などいりません。墓に何の意味があるのでしょう。

死に捉えて貰うのはどうやら今を於いて無さそうなのです。

 

 

私のような不埒者、おまけにこの様な俗悪な文章を書いた者が聴取するには、甚だ不敬、不釣合ではありますが、人生の儚さ、虚しさを歌った以下の曲はよく聴くのです。

 

 

 

煌めく宝石のようなモーツアルト至玉の歌曲Kv523「夕べの想い」

歌:エリーザベト・シュヴァルツコップ 

ピアノ: ヴァルター・ギーゼキング


www.youtube.com

 

 

#人生の終末 #死ぬなら今のうち

#光陰矢の如し #色即是空 #空即是色

#諸行無常 #モーツァルト「夕べの想い」

 

 

 

江戸さくら通り、日本橋さくら通り

2024年4月3日   小雨が降っていた。

上野広小路パルコヤ6階にある、常時行列が出来ている回転ずし、まいもん寿司金沢で腹拵えをした。のどぐろ、トロが旨い。近くに在る寿司ざんまいよりはるかに美味しい。

食事後銀座線に乗り日本橋へと向かった。

前回食べられなかった三笠パンケーキを

文明堂で食べて、江戸通りの桜を見るためだった。

14時~限定 焼き立て"三笠"パンケーキ
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文明堂日本橋本店入口
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日本橋江戸通りの桜
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福徳神社境内の桃の花
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江戸通り 建物は三井信託銀行f:id:gaganbox:20240417132302j:imagef:id:gaganbox:20240414081531j:image

右は日本橋三越本店
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室町テラス
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日本橋高島屋から八重洲まで続く桜並木

日本橋さくら通り
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ヘンデルはバッハと同じ年、ドイツに生まれ後にイギリスに帰化した。下記の曲はヘンデル25歳のころ作曲されたハープシコード組曲第1集(全8曲)から7曲目ト短調HWV432

からパッサカリア ピアノ編曲

パッサカリアとはスペイン語のpasear(歩く)、calle(通り)に由来する

桜が舞い散るような儚く、美しく、哀しく、どことなく厳かな妙なる調べは幾度聴いても感動を覚える。


www.youtube.com

 

 

#日本橋江戸通り #日本橋さくら通り

#室町テラス #文明堂日本橋

#ヘンデル パッサカリア

 

上野の御山の美しき桜たち

梅雨入りの頃桜の話を書くなど季節外れにも程があるが、暫し風邪様症状で病に臥していたので御容赦願いたい。

阿保が罹患するなんてなんて全く嗤わせるぜ。

 

 

2024年4月中旬頃

染井吉野が散った後に咲く桜は実に美しい。

名前にも浪漫がある。

 

イツカヤマ(早晩山)4月10日撮影 

花弁は未だ白い

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4月16日撮影 薄い桃色に色付く
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建物は藝大旧奏楽堂

上野恩賜公園の中でこの場所にだけ咲く桜。

他に誰も気付かないのだろうか、去年も、

今年も2回以上来ているがこの花を見て写真を撮っているのは私独りだった。

楚々として美しい桜である。


ソノサトキザクラ(園里黄桜)

比較的新しい品種で長野県の旧地名園里村で2001年(平成13)フゲンゾウ(普賢象)の古木の先端に黄緑色の八重の花を咲かせる枝が発見された。発見された場所の旧地名園里村に因み園里黄桜と命名され、2006年(平成18)には新品種として認定がなされた。

 

交番後側の喫茶店に行く小路を挟んで一木ずつある。

此処はさすがに公園の中心部に近いので写真を撮る人も居るが、色合いが黄緑色で中心部が淡いピンクを帯びているからか桜花と気付かず通り過ぎる人も多い。

そもそもこの小路を通らなければ気が付かない。4月16日撮影

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オモイガワ(思川)4月10日 

園里黄桜の近くに咲く
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以下の美しい桜花4種は清水観音堂と上野の森美術館の間にある広場に咲く
ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)4月10日f:id:gaganbox:20240424232822j:image
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イモセ(妹背)4月16日
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ランラン(蘭々)4月16日
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フクロクジュ(福禄寿)4月16日f:id:gaganbox:20240507225033j:image
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水観音堂近くに咲く

アマノガワ(天の川)4月16日f:id:gaganbox:20240420105442j:imagef:id:gaganbox:20240420105532j:imagef:id:gaganbox:20240420105557j:image

ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)4月10日
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ソメイヨシノ(染井吉野)
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ヨウコウ(陽光) 早咲きの桜

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不忍池下町資料館近く

コウカ(紅華)4月10日
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シロタエ(白妙)
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水観音堂下、辯天池近く
ヤエベニトラノオ(八重紅虎の尾)4月10日
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不忍池
ウコン(鬱金桜)

桜名を鬱金としたのはインド原産ショウガ科ウコン属の根茎を乾燥しパウダー状したときの萌黄色に由来する。英名ではターメリックと言いカレー粉の原料やマーガリン、沢庵等の着色に使用される。

 

鬱金桜は他のサクラ同様バラ科サクラ属

黄緑色~黄色~桃色に変色する

4月10日撮影
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4月16日撮影

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花園稲荷神社のウコン桜 

不忍池のウコン桜と較べると樹木はずっと大きい。4月10日撮影
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花園神社1週間後のウコン桜 ピンク~橙赤に色付く。4月16日撮影
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花園神社

カスミザクラ(霞桜)4月10日撮影f:id:gaganbox:20240427231502j:image

 

不忍池

カンザン(関山)4月16日f:id:gaganbox:20240423183011j:imagef:id:gaganbox:20240423183029j:imagef:id:gaganbox:20240423183045j:imagef:id:gaganbox:20240423182930j:image

 

桜以外の花

ツツジ(躑躅)4月16日
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モッコウバラ(木香薔薇)
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水観音堂 月の松
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モモハナ(桃花)
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#上野公園遅咲きの桜 #不忍池 #花園稲荷神社#園里黄桜 #鬱金桜 #早晩山 #関山 #爛々

#八重紅虎の尾 #妹背 #福禄寿

 



 

 

渋谷さくら坂

2024年4月10日水曜日。天気晴朗。

住所は渋谷区桜丘町(さくらがおかちょう)

渋谷駅から西口歩道デッキを渡ってアクセス出来る駅近の桜の名所。

玉川通りの南側に位置するさくら坂は長さ200mで約20度の勾配を有している。夜は250個の段飾り提灯が点灯し、桜並木もライトアップされ、ピンク色に耀く。

 

訪れたこの日、残念ながら染井吉野は大方散っていた。

桜花の舞い散った春の坂道を物想いに耽りながら独り歩くのも一興かもしれない。

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散りぬれば 後はあくたになる花を

     思ひ知らずもまどふてふかな

 

ありと見てたのむぞかたき

     うつせみの世をばなしとや思ひなしてん

 

                                            古今和歌集より

 

 

 

#渋谷さくら坂 #渋谷駅近桜名所

#夜桜 #段飾り提灯

       

 

 

 

 

 

 

モーツァルトピアノ組曲Kv399(385i)

私はモーツァルトピアノ曲に付いては全て聴いているとばかり思っていたが最近になってそれが過ちであったことを知った。

 

このピアノ組曲は運命のト短調ではなく、ト長調であるのだが憂いを帯びた、物悲しく美しい旋律は胸に迫るものがあり、長調の調べとは思えない。

最も5つの楽章のうち3つは短調であるから切々たる哀愁を感じるのは自ずとそれらの曲調に由来するものなのだろう。

 

曲のタイトルは「ピアノ組曲序奏とフーガ」

第1楽章 フランス風序曲ハ長調

第2楽章 フーガ(アレグロ)イ短調

第3楽章 アルマンド(アンダンテ)ハ短調

第4楽章 クーラント(アレグレット)変ホ長調

第5楽章 サラバンドト短調(未完)

 

1882年モーツァルト26歳の時ウィーンで作曲されたと伝えられる。これまで経験したことのないバッハやヘンデルバロック音楽の洗礼を浴び、まさに稲妻の衝撃を受けた後に作曲されたもので調べはバッハを想わせる。

 

5楽章からなるこの組曲は動画でも2 、3視られる程度であり、その中でも1979年南アフリカ生まれ、オーストラリアのピアニスト、クリスティアンベザイデンホウトの演奏が良かった。日本語のコメントは一文だけで、あとは全て英文だった。

 

 

この曲が演奏会のプログラムに載っていることは見たこともないし、演奏されることは殆ど無いであろうからこの曲自体を知る人は少ないと思われるが、素晴らしいピアノ組曲であると感じた。

 

www.youtube.com

 

 

#モーツァルトピアノ組曲

#クリスティアン・ベザィデンホウト

 

 

日本橋あじさい通りのおかめ桜と文明堂

2024年3月3日快晴

此処のところ引きこもりがちであったが、余りに空が晴れ渡っていたので日本橋まで桜を見に行った。

昨年同時期に来たときと同様ほぼ満開の状態であった。

 

室町1丁目から見える首都高
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あじさい通り
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おかめ桜は中央通りから2つ北側にある通り、あじさい通りや本銀(ほんしろがね)通りに花を咲かせる。それ程知られてはいないようで日曜日にもかかわらず通りは閑散としていた。

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何やら騒がしいと思ったら

本日は東京マラソンの日だったf:id:gaganbox:20240307143004j:image

日本橋三越前中央通りを走り行くランナー達
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むろまち小路
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再びあじさい通り
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福徳神社
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此方は福徳神社境内の梅花
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ラソンのため地上での往来は出来ないのでJR日本橋駅入口から地下通路を使って日銀側に出た。

このJR日本橋付近には長崎屋という薬種屋があり、長崎に駐在したオランダ商館長の定宿だった。幕府の鎖国政策により、外国貿易を独占していたオランダは江戸幕府に謝意を表すため、江戸参府の折りには将軍に謁見し献上品を贈っていた。また長崎屋には青木昆陽杉田玄白、平賀源内等著名な学者も訪問し、江戸に於ける外国文化交流の場となり、先進的な外国の知識を吸収する館として有名になった。
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日本橋室町スチーム時計
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室町テラス地下にある日本橋エネルギーセンターでは高効率、大型発電機による電気や熱を創り出し、室町テラスの他、周辺ビル、大型商業施設へエネルギーを供給している。

スチーム時計はこれ等エネルギーへの取組みの象徴として建てられ、時計から発せられる蒸気や音は創出エネルギーをイメージしている。高さは6mあり、時計盤面及び塔体側面には日本橋発祥の江戸切子の伝統的な籠目、矢来の紋様を使用している。



日本橋文明堂本店

カステラは16世紀に渡来した宣教師によって齎された。カステラの語源はスペインの「カスティーリャ王国」によると云われる。この王国の修道院において祝い事があったりすると人々は材料を集め修道院に持って行き、そこでカステラが作られた云々。日本では長崎でカステラ造りが始められ、創意工夫を得て現在に至っている等カステラ誕生や日本への到来の歴史が書かれていた。

 

日本橋文明堂本店
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カフェメニュー
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本当は左上部にある焼きたて"三笠"パンケーキをオーダーしたかったのだが14時以降のメニューであるとのことだったので下写真のフレンチカステラと文明堂特別ブレンドの珈琲にした。珈琲のおかわり自由が嬉しい。
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文明堂は1900年長崎で創業した。東京進出は1922年(大正5)上野が最初であり、1933年(昭和8)に新宿店をオープンさせた。文明堂は広告に関してその重要性を認識しており、例えば語呂合わせのようなもので直ぐ客に伝わるものを考えた。大阪を訪ね夕食を摂る際、肉は一番、電話は二番の肉店があることを聞いていたので早速りタクシーに乗りその肉店に行きたいと言ったところ運転手は宗右衛門町の肉店を直ぐ案内してくれたという。これが後のキャッチコピーのヒントとなった。

 

電話は当時交換手を通じて相手に繋げるものであったから文明堂は1937年(昭和12)各地域の電話局の2番を買い取った。

これにより交換手に2番と伝えれば文明堂に繋がるようにしたのである。1935(昭和10)年「カステラは一番、電話は二番」の広告文を電話帳裏面に大きく掲載した。1951年(昭和26)日本橋出店。1957年(昭和32)TVCM開始。

1962年(昭和32)電話帳に記載していたカステラは一番の「は」が抜け「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」の5匹の仔グマの軽快なカンカン踊りのTVCMが始まる。

因に現在の日本橋本店の電話番号は

3241-0002であり、今回入店した隣接するカフェの電話番号は3245-0002である。

 

文明堂のCMは誰でも知っている。

原曲はフランスの作曲家ジャック・オッフェンバックオペレッタ「地獄のオルフェ」序曲第3部地獄のギャロップに由る。地獄のオルフェがフランスで初演されたのは1858年。日本では1914年帝劇で初演されており、その時の邦訳が「天国と地獄」であったから現在に至るまでその名で呼ばれる。

それではキレッキレのピアノソロと5匹の仔グマによる地獄のギャロップ(カンカン踊り)「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」をどうぞ。


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#日本橋あじさい通り #おかめ桜

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#カンカン踊り #天国と地獄

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大川原化工機捏造事件 公安と経産省の裏取引

大川原化工機株式会社は横浜に本社を置く

機械製造会社で1980年に設立された。

従業員約90人の小規模会社であるが噴霧乾燥器分野での国内シェアは70%を占め、この分野のリーディングカンパニーである。

1997年品質マネジメントシステムISO(International Organization for Standardization)9001

2005年には環境マネジメントシステムISO14001を取得した非常に高レベルで優秀な会社でもある。

2013年貨物等省令が改正され、一定の要件を満たす噴霧乾燥器(スプレードライヤー)は生物兵器への転用が可能であることから経済産業省の許可が必要となった。大川原化工機のスプレードライヤーは測定口という温度の上がらない部分があり、その部分の粉体の完全殺菌は不可能であることから一定の要件を満たす機器ではなく輸出規制には当たらない。毒性の強いものを扱えば機械を開けた時に残留粉体がぷぁーと飛び出し、周りの者を感染させる危険性があるのでとても扱えるものではないと社長自身も述べている。しかしながらリーディングカンパニーである当該会社は法改正を受けて、その義務がないにも拘らず取引先にも「兵器転用はしない」との念書を取るなどして、その使用は平和利用に徹していた。また経産省等のヒアリングにも積極的に応じ全面協力した。

この会社は液状の物質を高温の容器内に噴射して粉末化し、医薬品や食品を製造する装置としての機器スプレードライヤーを開発販売している。簡単に謂えば液体ミルクを粉ミルクに代えたり、液状コーヒーを粉末化する機器の輸出や国内販売である。取引先には医薬品、食品メーカーが多い。

栄養価は高いが腐食が早いため破棄せざるを得なかったおからの粉末化に成功し、Ohからだ!と名付けられた「おからパウダー」は横浜市で小学校の給食メニューとして採用された。

 

2020年3月大川原化工機の社長、常務、顧問の3人が外為法違反の罪で突如逮捕・起訴された。この無理筋事件を主導したのは警視庁公安部であり、理由は法律などには関係なく、只々己の手柄が欲しい、後の人生コースに箔を付けたいという出世欲に駆られたものだった。手柄を得る為にのみ様々な細工を施し、捏造調書を乱発し優良企業を罪に陥れた。担当検事は会社側の言い分を全く聞いておらず、公安の無理筋手法のみに従って、検証することもなく起訴した。その後原告弁護士の度重なる保釈要請にも係わらず、保釈は認可されず社長、常務は原則として2ヶ月という勾留期間を遙かに超えた11ヶ月間の長きにわたり拘置所に留めおかれ、まるで罪人のような扱いを受けた。

検察が人質司法という常套手段を使って無辜の市民の人権を侵害した極めて悪質な事案である。

またスプレードライヤーの開発に携わった顧問は拘置中に体調を崩し、拘置所で何度も輸血処置を受けた。拘置所の医師は消化管出血と診断し、その後内視鏡検査で胃の幽門部に進行性の悪性腫瘍があることが発見された。病名を告げられた本人・家族・弁護士供々

外部病院での治療を懇願したが罪を認めていないことを理由に(そもそも罪ではない)最後の保釈請求を含めて計7回の保釈請求は罪証隠滅、口裏合わせの畏れがあるとして全て却下された。まさに鬼畜の所業である。

 

無実であっても検察のストーリーに沿った供述をすれば、保釈が認められ、「執行猶予が付けば御の字じゃないですか」という悪魔の囁きを日常的に行っているのが検察取調べ業務である。罪を認めれば保釈されるのだが、例え執行猶予が付き保釈されたとしても一旦罪を認めれば前科者となり、その烙印は消えない。無実の者にとっては全く許し難く、屈辱でしかないが、狭い部屋の中で何ケ月も勾留され、他の人はこう言っている、あなただけ意見が違うのはおかしいと言われれば頭が混乱する。その混乱に乗じて予め作成された検察ストーリーに沿った調書にサインさせる。有罪率99.9%はこのようにして出来上がる。

また逆に不起訴によって犯罪者を野に放つ危険性も考えられる。昨今怪しげな事件が不起訴になる案件を見聞きするが何れも不起訴理由は明らかにされない。

 

 

この冤罪事件の全体像は下記の動画が簡潔に説明しているので、YouTubeで見るを

クリックして見て戴きたい


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事件の概要を時系列にする。

 

事の発端

2013年10月貨物等省令が改正される。

これによって一定の要件を満たす噴霧乾燥器は兵器転用が可能であることから、これ等を輸出する場合は経済産業省の許可が必要となった。尚大川原化工機の機械はこれに該当していないが経産省の殺菌に関しての定義は曖昧だった。

 

2015年安全保障貿易情報センター(システック)の講習会で噴霧乾燥器の情報を入手した警視庁公安部は数あるメーカーの中から高い技術力と噴霧乾燥器国内No1を占める大川原化工機を対象として、手柄を上げるための捜査を進めることとした。この会社の不正輸出を検挙すれば大手柄になるだろうという魂胆だった。指揮を執った捜査幹部の賤しい性根が露骨に窺える。

こうして何ら罪のない会社が公安の生贄とされて行くのである。

 

2017年春警視庁公安部外事第一課第五係が内偵捜査に着手する。

捜査員30名規模の大掛かりなものであった。

 

公安部と経産省の裏取引

2017年10月公安第五係と経産省の打合せが開始され、翌2018年2月末迄計13回実施された。

国際標準として認識されているオーストラリアグループ(AG)の規制リストに於いて、disinfectionは自動洗浄機能を備え、薬液消毒するものと定義されており、乾燥殺菌のみを持って規制対象としている国は無い。当該会社を含む日本の主要メーカーも同様である。当初経産省は内部を殺菌出来る噴霧乾燥器の証明について、通常細菌より、熱抵抗が強い芽胞形成菌を指標菌とする実験でなければ意味がないと説明していた。

しかし捜査報告書は基本であるAGの定義にも、そのこと、つまり芽胞菌が指標菌であると主張した有識者の供述にも触れていない。

 

公安の実験開始後付属ヒーターでの熱風では乾燥滅菌法の条件をクリアしないことが判明したことから捜査幹部は滅菌を諦め、芽胞菌以外の一般細菌で噴霧乾燥器内部を100℃前後に保つことで殺菌出来るものと目標設定を低下させ、且つその公安の意向に沿った解釈をする別の有識者の理論を聴取し実証しようと愚行した。

許認可を管轄する経産省はさすがに大川原化工機の噴霧乾燥器が日本薬局方に定める乾熱滅菌法160℃・2時間の条件を満たすことが不可能であることから、独自の殺菌法をでっち上げ、輸出許可が必要であるとした公安の度重なる要請にも係わらず大川原化工機の噴霧乾燥器は許可申請に該当しないとして首を縦に振らなかった。公安部長新美恭生が登場するまでは。

この公安の親玉の登場によって省令解釈を超越するという法治国家にあるまじき事態がいとも簡単に起こることが立証された。「大川原化工機の噴霧乾燥器は生物兵器の作成装置に転用できない、従って輸出規制製品に非該当」と正論を述べて来た経産省はそれ迄の姿勢を転じ突如警察のガサ入れを容認した。

警視庁公安部は1000人以上が配置される巨大組織であり、公安部が第一課から第四課、外事課が第一課から第四課迄あり、其々に~係を複数抱えている。

この組織図を見ただけでも不要な部署は相当数あると感じられる。この巨大組織は全て国民の血税で賄われている。少なくとも今回の冤罪事件を惹き起こした第五係は組織から消えるべきだ。

 

合言葉は手柄を挙げる

捜査の指揮を執ったのは外事課第一課警視渡辺誠及び第五係係長宮園勇人警部だった。

宮園は「海外のあるべきではないところに、大川原化工機の噴霧乾燥機が見つかった」との虚言を弄し事件の構図を作り上げた。

部内から「目立った成果を挙げていない」とみなされていた係長宮園は部下に発破をかけ続けた。「このままでは人員を減らされ、縮小される。経産省に殺菌概念が無いと言わせるな。経産省がそれを言ったら事件は終りだ」

この宮園の悪質捜査に積極的に加担したのが宮園の忠実な手下、ゴミ警部補安積(あさか)伸介であった。宮園の意を受けた三下デカ安積は神をも畏れぬ悪行三昧に八面六臂の大活躍をする。即ち偽計、欺罔(ぎもう)による取調べ、弁解録取書の偽造及び破棄、恰も専門家の発した言葉であるかのように装った殺菌定義の捏造等々。

 

安積は微生物学や細菌学を専門とする大学学長、教授等有識者の聞取りを巧みに利用し、あの手この手を使って宮園にとっての都合の良い聞取結果報告書、捜査メモを大量に作成した。手柄にならないようなマイナス要因は全て葬った。安積はこうした捏造報告書作成能力、謂わば奸智を廻らす才能にはとびっきり長けていた。しかも驚くべきことにこれ等大量の捏造報告書が殺菌に関する経産省説得の根拠となって行くのである。

2017年5月安積は微生物の専門家である防衛医科大学学長と面会。捜査であることを伏せ、殺菌及び滅菌についての意見を求めた。面会は2018年3月迄数回に及んだ。その他大学教授等3人の意見を聴取している。

これ等の結果から有害な細菌を1種類でも、死滅させることが出来れば、その手法を問わず「殺菌」に該当し、付属ヒーターからの熱風を送り続けて結果的に殺せる菌が1つでもあればよいとの殺菌理論を打ち立てた。

公安が殺菌理論を打ち立てるなど全く笑止千万だ。

 

防衛医科大学学長の話をもとに作り上げた調査報告書が以下のものである。

「噴霧乾燥器は、末端付近まで100℃以上の熱風がいきわたるのであれば、水分の枯渇により細菌は死滅し感染能力を失う。よって機器が機能として持つ温度で殺菌可能となる」「乾熱による滅菌・殺菌は、蒸気などと同様に一般的な方法であることから、乾熱で大腸菌などを殺菌出来るのであれば、特別問題なく輸出規制に該当する機器と判断できる」と防衛医科大学学長の述べた言葉として記されていた。つまり噴霧乾燥器そのものが全て規制対象になるということを示した。安積は2018年3月突如パソコンを取り出し、既に予め作成しておいた上記捜査メモを他の捜査員にプリントアウトさせた。

学長は読み返すことなくこの報告書に署名押印した。学長は噴霧乾燥器を見たことも無く、その機械装置が殺菌能力を有しているかどうか知る由もない。特定の会社に関わる捜査であることも最後まで知らされなかった。

学長の殺菌に関する一般論を巧妙にすり替え公安独自の殺菌定義を安積は作り上げた。

他3人の学者に関しても同様に捜査報告書を捏造した。

そもそも輸出規制に該当しない機器を、輸出規制に該当することにしたのだから、事の始めから間違っていたのであり、公安の調査自体が捏造に捏造を重ね輸出規制該当にするための辻褄合わせに終始した極めて悪質な事案である。

 

常務に対する安積の取調べ

安積は主に常務の取調べを担当したが、宮園の構図に従った供述を引出そうと、教授等から聞いた殺菌理論を振りかざし、中国の在るべきではない処に噴霧乾燥器が見つかったとの言い掛りを付けた。

常務が「それは何処にあるのですか」と問い質したしたところ安積は「いや、そうは言っていない今捜査している段階なのだ」と答えた。

 

調査内容は以下のもので聴取時の音声が残されていた。

取調官安積「はっきり言っちゃうとここ(大川原化工機の合弁先の親会社)は中国に於けるバリバリの軍事組織です」

常務「それは(経産省の懸念先)ユーザーリストに載っているのですか」

安積「ユーザーリストに載っていなくても完全にバリバリですね」

 

安積「熱風が入れば輸出規制該当なんだ。我々は熱を入れて菌が死ぬというテストをしてるんだ。あなたも熱風を入れれば菌が死ぬと思うだろう」

「社長も顧問も罪を認めている、このままで行けばあなただけ逮捕されることになるぞ」

安積は弁解録取を14通作成した。弁解録取は本来なら取調べの後作成するものであるが全て安積が予め作成したものを常務に見せサインしろと迫ったものだ。尚安積は常務に調書を1度しか見せず、筆記用具を取ることも許さなかった。

その中には「社長と顧問の指示により(経産省の)許可を取らずに機械を輸出した」という一文があった。事実ではないので常務は絶対に同意できないとしてサインを拒否した。以前から主張しているように輸出管理支援団体のガイダンスに従って輸出したと書き換えて下さいと常務が言ったところ安積は修正に応じる振りをして録取書を書き換えた。安積は書き換えた録取書を見せ常務に示しサインするよう迫った。常務は自分が言った通りに書き換えられているものと思いその録取書にサインした。ところが再度読んでみると「社長と顧問の指示により許可を取らずに機械を輸出した」の部分が「社長等と共謀して輸出した」に書き換えられていた。此れには常務も驚き日本の警察はこんな騙し討ちのようなことをするのかと激高した。安積は宮園に相談したが宮園は常務の言うことなど誰も信用しない、サインしたんだからそのまま押し通せと言い放った。安積は最初の録取書をシュレッダーにかけ故意に破棄した。従って「社長等と共謀して輸出した」という録取書だけが残った。本来なら2通共録取書として残すべき処安積は1通目を過失で破棄したと強弁した。諦かな公用文書毀損であるが、安積はこの罪に問われてはいない。脳味噌の腐ったゴロツキコンビは手柄を挙げるための違法捜査を繰り返した。

また常務が「自動洗浄が装備され、かつ粉体が漏れたり、吸引されたり、触れたり出来ない装置が具備されているものが規制要件該当であると認識しており、それに当社の機器は該当しない」と何度も言及しているにもかかわらず、安積はそのことを録取書に記すことを拒んだ。

こうして何等根拠の無い、いい加減で質の悪い事情聴取が重ねられて行く。

 

有識者の殺菌に関する定義に関しては、後の東京地裁の証人尋問では聞取りを受けた学者4人全員が、安積の調書内容に関して「供述が曲解されて記されいる、言ってもいないことがさも自分の供述として書かれている」として憤慨している。

防衛医科大学学長は「結論ありき、逮捕起訴ありきの都合のいい方向に向かってしまったと思わざるを得ない」と述べ、安積の捏造を暴露した意見陳述書を裁判所に提出している。

 

経産省への説得、新美恭生の登場

こうした有識者の報告書を示しながら公安は経産省(所属部署は安全保障貿易管理課、安全保障貿易審査課等)への説得を試みた。

しかし経産省検査官は尚も首肯しなかった。そして「それ程疑念があるなら我々の方で説得しましょう」と言ったところ公安は「それではこっちの手柄にならない」と言って拒否した。法も何もない。手柄を挙げるということが公安の目的なのである。

しかしながら経産省のガードが固くこのままでは手柄を立てられないと焦った宮園は外事第一課の課長に頼み込み、頼みを聞いた課長は公安部長に泣きついた。満を持して登場した公安の親分である公安部長新美恭生は、馬鹿な子分でも子分は可愛いのか、それとも公安の面子に関わるとでも思ったのか、自ら経産省に働きかけた。新美は経産省が何故にこれ迄頑なだったかを問題にすらしなかったのだろうし、公安トップとして事件の真相を調べようとも思わなかったのであろう。真実を見ようとしなかった新美は、このゴロケツ部下供のクズ捜査を親分の権威を嵩に率先して援護した。公安部長が盛り上がっているとの捜査資料が残されている。宮園の腐った脳味噌に蠢く蛆虫と同様、公安トップの脳味噌にも蛆虫が蠢いていたのであろう、何しろ盛り上がっているのだから。然るに東京地裁の判決後はコメントする立場にないと逃げ回っている卑怯者、下種野郎だ。

新美が動いたことを上司に聞かされビビりまくった経産省の笠間太介課長補佐はそれまでの姿勢を変えガサ入れ位はいいだろうと公安の要請に屈した。2018年2月8日のことだった。せめて別件で、許可申請の実績は1件しか無いことを検事に行って欲しい等述べたそうだが、ガサ入れが行われたら公安の思うが儘だ。

恐らく様々な思惑が乱れ飛んだのであろう。笠間太介はその後貿易管理部技術捜査室長に栄転している。

大川原化工機で検索すると新美恭生は経産省に圧力をかけた公安部長としてヒットする。

この件でその名を馳せた公安部長新美はさぞかし満足しているであろう。

 

外為法違反(外国為替及び外国貿易法)による家宅捜査

2018年10月3日早朝 大川原化工機社長が横浜の自宅から出勤しようとしたところを

突如数人の捜査員に取り囲まれた。「外為法違反です。令状が出てますんで家宅捜査行います」ということだった。早朝を狙うのは警察の常套手段だ。

全く身に覚えのないことだったので、社長は驚きながら「何の件ですか」と質したのに対し捜査員は「捜査上の秘密であるため答えられない」と言うのみだった。

その2時間後には50人を超える捜査員により会社の家宅捜査が行われ大量の資料が押収されたが、この大掛かりな強制捜査で軍事転用など問題となる事実は何一つ発見されなかった。

 

社長は警察の何らかの勘違いであると思い、話せば分かるものと信じ、捜査には積極的に協力した。任意の事情聴取は社長42回、常務35回、顧問18回、50人の社員260回以上に及んだ。大川原化工機の噴霧乾燥器は規制要件の一つである「定置した(機械を動かしたり分解しない)状態で機械内部の滅菌又は殺菌をすることが出来るもの」という条件を満たしておらず会社側は規制対象になることは無いと確信していた。逆説的に云えば機械そのもので殺菌出来れば、作業員及び周囲に及ぼす影響が少ないことから生物兵器への転用が可能ということになる。自動洗浄機能等特殊な装置が付加された機器や内部の菌が漏れ出ないような専用設計をされたものであれば規制の対象となることはあり得るが、大川原化工機の機械にはそれらの装置は元々付いていなかった。この機械の構造に精通していた難関国立理系出身の顧問は「マンホール、のぞき窓、温度計座、差圧計座及び導圧管等装置内に極端に温度の低い場所があるので機械の性能、構造上の点から完全殺菌は出来ない。実験法が間違っていると何度も説明したが、警察は全く分かろうとしなかった」と述べている。聞取りは主に宮園であったからどうにもならなかった。

公安の目的は当初から手柄を挙げるという一点にしかなかったのだから社長、顧問、常務等の意見は一切無視されたのは宜なるかなと云える。社長等はその後一貫して無罪を主張し、黙秘したため保釈は認められなかった。

 

女性社員の取調べ

2019年10月常務直属の部下である、女性社員が取調べを受ける。例によって早朝出勤時、夫が出勤した後に狙いを定め2人の警察官が「外為法違反の容疑で家宅捜査令状が出ている」として女性社員を自宅に押し戻した。何のことか分からない女性社員は理由を尋ねるも返事は無い。会社に連絡しようとしたが「あなたが出勤しないことは知っているので無駄だ」と言われた。

その後延べ40日間に及ぶ取調べが行われた。取調官は外事一課の警部補田村浩太郎が担当した。女性が閉所恐怖症であることを知ってか知らずか、取り調べは窓の無い、原宿署の狭い部屋で行われた。取調べ時間は平均で4~5時間、長いときは8~9時間に及んだ。社長と常務はどんな話をしていたか。社長たちは罪を認めている等誘導尋問を重ね、少しでも言質を取ってやろうという魂胆だった。

女性社員が「常務は機械輸出は法に違反していないので大丈夫だ」と言っていましたと述べると田村は「法に違反しないようにして輸出したから大丈夫」と調書を書き換えた。こういう取調べが延々と続けられ、言ってもいないことが書かれ、直してくださいと言ってもなかなか応じて貰えない。取調はその繰り返しだった。

後に会社側弁護士の要請で、取調べは田村以外の捜査員に変更され、取調室も町田署や玉川署等窓のある会議室となったが、この時には既に田村による供述書が出来上がっていた。供述書を見た検察官は直ぐに作為的であることを見抜いたが、上司が塚部であったので報告は無視されたものと思われる。

田村の取調べ過程で、長時間の聴取を終えたある日、疲れ果てた女性は地下鉄の駅のホームで身を投げようとしたが、この時は駅の転落防止ドアに守られ事なきを得た。女性はその後うつ病を発生し、未だに原宿方面行きの電車には乗れないという。

経産省との間を取り持った田村は警部補から警部に昇進している。

 

社長ら3人の逮捕と再逮捕及び起訴と追起訴

2020年3月11日 細菌兵器の製造等軍事転用可能な装置を、経産省の許可なく中国へ不正に輸出(RL-5)したという外為法違反で社長等幹部3人が逮捕された。同年5月には韓国への輸出(L-8i)で再逮捕された。

2020年3月31日 3人は上記容疑で起訴され、6月に追起訴された。起訴後勾留は約11ヵ月に及んだ。起訴した担当検事は塚部貴子、決済したのは東京地検検事正曽木徹也検事だった。宮園の圧力に屈したクズ検事塚部はこの重要な事件で、大川原化工機側の意見を殆ど聞くことは無かったし、経産省への聞取りも1度も行わなかった。噴霧乾燥器がどのようなものかをも1度たりと確認していないのである。一体何をしていたのであろうか。

そもそも起訴は最も重要な検察権行使であり、的確な証拠に基づき有罪判決が得られる高度の見込みがある場合のみ起訴出来るのであるが塚部は最低限必要な調査を何一つ行っていない。

9ケ月間係わったこの重要な案件で塚部の聞取りとして目立ったものは大川原化工機の取締役1名に対するものだった。しかも原告弁護士が捜査を妨害しているとして「弁護士にレクチャー受けてるでしょ」といちゃもんを付けた噴飯ものの聞取りだけであった。宮園に籠絡された検察官塚部は大川原化工機の従業員5人が「温度が上がらず殺菌出来ないと言っている」との応援検事の報告をも、従業員の供述は変遷しているとして黙殺した。しかし後に従業員と応援検事のやり取りが録音されていたことが分かり十分な調査を行わず起訴に踏み切った違法性が指摘された。

宮園は従業員の言い訳など聞くなと部下に叱咤したが、検事塚部もその叱咤に従った。捜査員の1人はもう少し客観的に捜査した方が良いと唯したが宮園は「事件を潰すきか、責任取れんのか」と怒鳴りつけた。

 

逮捕起訴と同時に外事第一課は警視庁長官賞と警視総監賞が与えられ、15人が総監賞で個人表彰を受け1万円の副賞が罪人共に与えられた。

2020年3月公安部の捜査員2人が東京地検を訪れ、公安部の省令解釈が業界では一般的でないことを塚部は知らされる。塚部は「解釈自体がおかしいという前提であれば起訴できない、不安になってきた。大丈夫か。私が知らないことがあるのであれば問題だと捜査員に詰問した。十分な時間があったのだから不安になったのであれば調べるのが当然であろう。宮園によって経産省への接触を阻まれていたとしても担当検事として経産省の省令解釈を認識するのは必然だ。にも係わらず塚部は何もせず、勾留満期も迫っていたこともあり、焦りもあった。塚部はほゞ宮園の支配下にあったように傍目には感じられる。省令解釈に関して不安を持った塚部に宮園は「大川原に限らず他に同じような解釈をしている会社の立件も視野に入れてます」と虚言を弄し塚部を安心させた。こうして塚部は起訴に踏み切った。気味が悪い程相性ピッタリの中高年コンビ宮園・塚部は始末が付かない。

 

(2009年の郵政不正事件にも塚部は関与した。この事件も最初から最後まで検察の100%でっち上げ事件であったのだが、驚くべきことに大阪地裁の主任検事前田恒彦フロッピーディスクの日時改竄までして無罪の者を罪に陥れようとしたのである。全く呆れ返るばかりだがこの事件で塚部はその主任検事前田を告発している)

 

顧問の容態悪化

2020年9月逮捕されていた顧問が何度も輸血を受けるなど重篤な病状を呈していたため弁護団は緊急の治療が必要として保釈請求を行った。が検察官は罪証隠滅の恐れがあると主張し保釈請求に反対、裁判所も請求を却下した。10月胃に悪性腫瘍があると診断された顧問は8時間の勾留執行停止が認められ、大学病院を受診。進行性の胃癌と診断された。但し大学病院は勾留執行停止中の患者は受け入れることが出来ない規則になっているとして治療は行わず、顧問は拘置所に戻された。顧問・家族及び弁護団は保釈が認められず勾留執行停止中であっても受入れ可能な医療機関を探さざるを得なかった。

2020年11月東京地裁は再度の執行停止を認め顧問は入院した。しかし時既に遅く治療の甲斐なく翌年2月顧問は72歳で永眠した。検察による殺人としかいいようがない。

2021年弁護団は社長、相談役について6回目の保釈請求を申し立てた。またもや検察官は反対したのだが東京地裁はやっと保釈を許可した。社長、相談役は約11ヵ月振りに釈放された。但し顧問との接見は禁止されていたので顧問の状態を知ることは出来なかった。

東京地裁が保釈請求を認めなかったのは、証拠隠滅・口裏合わせの恐れがあるためという理由だったが捜査にも積極的に協力し、証拠資料の全てを持ち去っているのだからそもそも隠滅する証拠など無いのである。保釈請求を拒否し続けたのは3人が罪を認めなかったという一点にしかない。恐るべき制度である。

 

立ち上がった原告会社の技術者たち

技術者たちは社長等の逮捕直後から、無罪であることを実験で証明するべく自社製品での実験を試みた。

本来法令の主旨に沿った方法は粉体の菌を使用した実験であるべきだが、警察の実験では粉体を使用しておらず、液体状の菌を熱風に晒し、菌の死滅を確認したに過ぎなかった。これに関して安積は某国立大学准教授に電話し、例え粒子が重なった状態で乾熱処理をしたとしても、芽胞を形成しない菌であれば、100℃程度の乾熱で細菌全体の水分が枯渇して死滅するという見解を聴取し、このたった1本の電話聴取で粉体による実験を行わないこととした。しかし、そもそもこの教授は粉体に関する専門家ではない。

従って電話で安積に話したことはあくまでも私見、推測に過ぎず科学的根拠に基づいたものではない。また安積は測定口という温度の上がらない部分に関しては立件に不利になるので敢えて測定していない。

粉体と液体とでは熱の伝わり方が違う。粉体の場合は堆積した処に空気が入り込んでいるため断熱効果が高い。表面部は熱に晒されているので菌が死滅する可能性があるが、その内部では空気の層があるので熱が伝わりにくいことから菌は死滅しない。故に滅菌・殺菌を証明するには、データとして粉体を用いたものでなければ意味をなさない。機器に温度が上昇しない部分があることは、日常的に機械を取扱う技術者にとっては経験的な常識として分かっていた。機械内部の滅菌・殺菌が熱風だけで可能であるなら側定口の温度も上昇していなければ、危険な菌が機械内部に残留することになる。

警察の実験は単なる見解の相違を超え、科学的事実を逸脱するものであった。規制に該当する機器であるなど考えも及ばなかったものが捜査・起訴に迄至ったのであるから、どこまで綿密なデータを出したとしても規制該当品と言われる可能性はあると技術者たちは憂慮した。しかし無実の罪を晴らすため実験は不可欠だった。

培養した有害菌(この場合は大腸菌)を機器に入れ、粉体化する。粉体化した残留菌が生存していれば目的は達成される。理屈は分かっていたが大川原化工機の技術者の中にも有害な菌を実際に噴霧乾燥器で粉体とする作業を取り扱った者は皆無であった。

実験は科学的な客観性を保たなければならず、一定条件下で検査結果が違っていたのでは意味をなさない。このため技術者たちは大学の専門家等の協力を仰ぎながら実験を進めていった。大腸菌の培養液を機械内に噴霧し、粉状になった残留物に警察実験と同じ条件で熱風を当て続け、残留粉体を採取する実験を繰り返した。がいずれの実験に於いても測定口の残留粉体では菌が死滅していないことが確認され、機器に殺菌能力が無いことが証明された。1年以上70回を超える実験を繰り返し辿り着いた結果であり、まさに顧問が主張していた理論通りの実験結果となった。弁護士立ち合いのもと本番の実験が行われたのは2021年5月の事であった。元顧問の無念を晴らす結果となったこの実験報告は検察に提出された。

 

残されていた公安と経産省の折衝メモ

2021年6月  規制を管轄する経産省は大川原化工機の噴霧乾燥器に対して規制対象外であることを幾度となく伝えていたものの公安部の強硬な姿勢に屈し、最終的に捜査を黙認した。これ等の公安部と経産省や安全保障貿易センターとの折衝内容はメモとして公安部のコンピューターに残っていることがわかった。

弁護団はこれ等の捜査メモを証拠としてを開示するよう検察に求めたが開示されなかった。

2021年6月弁護団は裁判所に検察が証拠を開示するよう請求した。

2021年7月15日に第1回の公判が開かれることとなったが検察側は弁護側からの証拠開示請求への対応及び噴霧乾燥器が輸出規制の要件を満たすかどうか再検討する必要が生じたことを理由に公判の2カ月延期を求めた。折衝内容の証拠開示はコンピュータに保存されているのだから直ちに開示できるにもかかわらず。

2021年検察官は7月30日までに証拠開示するとされ、第1回公判は8月3日となった。

原告側は裁判で争うしかないと覚悟をしていた。

ところが開示期限の4日前東京地検は突然公訴取り下げを申し立て、裁判を終結させた。経産省が全面不開示としていた公安部との折衝内容メモが裁判の場で暴露されることを恐れたためと思われる。

卑劣な手段である。

 

2021年9月 社長と常務、顧問の遺族は国と東京都に5億6000万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴し、同時に上限となる1127万5000円の刑事補償請求も申し立てた。

 

口頭弁論 ( 一部)逮捕・起訴に懐疑的だった捜査員の証言

2023年6月 東京地裁で口頭弁論が開かれた。当時この事件を担当した4人の警察官に対する証人尋問が行われた。ここで驚くべき事態が起こった。

原告弁護人「事件はでっちあげであることを否めないと思うか」

証人1「まあ捏造ですね。逮捕、勾留の必要はなく、起訴する理由も特になかった」

原告側弁護士「なぜこんなことをしたのか」

証人1「捜査員の個人的な欲でそうなった」

裁判長「欲を出す理由は何か」

証人1「定年も視野に入ると、自分が何処まで上がれるかを考えるようになる」

裁判長「業績につながるということか」

証人1「はい」

原告弁護士「経産省の姿勢はいつ変わったのですか」

証人1 「2月8日です。ガサ(強制捜査)はいいと」

原告弁護士「経産省から何か(理由や背景)の説明はなかったですか」

証人1 「ありました。警視庁公安部長が動いたと」

 

原告弁護士「測定口と呼ばれる温度の上がらない部分があると述べていたことに対して、再度、実験すべきだと考えませんでしたか」

証人2 「考えました」

原告弁護士「それに対して係長(宮園)は」

証人2 「従業員の言い訳だ、信じる必要はないと」「出なかったらどうするんだ、事件潰れて責任取れるのかとずっと言われていたので再測定はしていない」

「捜査幹部がマイナス証拠を全く取り上げない姿勢を持っていた」

 

事件に携わった捜査員が自ら「捏造」と法廷で証言したことは極めて異例であり、衝撃であった。警視庁は証人尋問前に裁判対策を担う訟務課で証人テストを実施する。今回捜査に関する意義を唱えた2人は証人尋問本番でも捏造を訴えると答えた。彼等の意見は固く、無理に翻意すれば、又そのことが問題視されるので訟務課は説得を断念した。

公安内部でもこの捜査の違法性を認識していた警察官が少なからず居たことの証である。

 

事件を積極的に捏造した捜査員への尋問

原告弁護士「出なかったらどうするんだ、責任取れんのか等言った事実はありますか」

証人M 「それはありません」

裁判官 「この機械に関して一番詳しいというふうに認識されていたのは」

証人M 「技術者の方で、今名前出ないんですけれど」

裁判官 「会社の顧問ではなかったですか」

証人M 「その方が一番詳しいというような感覚はございませんでした」

裁判官 「温度が上がり憎いところがあるということを供述していることを聞きましたか」

証人M 「それは聞いておりません」

 

原告弁護士「任意の取調べを開始してから間もなく大川原化工機の複数の従業員から、噴霧乾燥機の内部には温度の上がりずらい箇所がある旨の指摘がありましたか」

証人A「知りません」

原告弁護士「捜査メモが作成されていると思われますが共有されてませんか」

証人A「知りません」

原告弁護士「警視庁が実施した温度実験では、測定口の温度は計っていませんね」

証人A「はい」

 

 

 

経産省職員への尋問

原告側弁護士「公安部長が動いたと、あなたの口から説明されたっていう証言が先週あったんですけど」

証人K「あったかなかったかで言うと、分からないです」

 

2023年7月 起訴を担当した検事塚部貴子への尋問

原告弁護士「長期間の勾留や及びその間の顧問の死を受けて謝罪の気持ちはあるか」

塚部「当時、起訴すべきと判断したことは間違っていないので謝罪の気持ちはない」

原告弁護士「公安部の捜査員から起訴する上でマイナスとなる指摘を受けたか」

塚部「ない、不利な証拠があるかもしれないと疑いを持てば確認するが、疑いは持たなかった」

 

これは「解釈自体がおかしいという前提であれば起訴出来ない。不安になって来た。大丈夫か」と捜査員に話していたことと矛盾する。また応援検事から温度が上昇しない部分があると大川原化工機の従業員が言っているとの報告を塚部は黙殺したのだが、この報告は録音されており、起訴前にマイナス要因報告は受けていたことが明らかにされた。それでも起訴に踏み切ったのは宮園の従業員の言い訳だ信じる必要はないとの言葉に従ったものと思われる。

塚部は供述を変転させた。温度が上がりにくい部分があっても湿度は一様に下がり、乾燥するから菌は死ぬ等湿度の事を熱心に語りだした。法律家の論理性は破綻し、ヒステリックとも思えるその場凌ぎの対応に成らざるを得なかった。

報告を受けていたのに受けていなかったとか、不安はあったのに無かったとか法律の専門家が法廷の場で平然と嘘を付くつくのである。

上記の証言から鑑みれば、これからも冤罪を作りますと言っているに等しい。

まさか塚部が「法の極致は不法なり」というキケロの高邁な哲学的境地に到達したとは思えないが、端なくもその言葉を法律家自らが法廷において実証したのだった。

塚部はその後千葉地裁に移動したが、この件に関しては一切コメントしないと宣った。

 

2023年7月 原告会社、弁護士からの削除要請にも係わらず1年近く放置され、手柄話的に載せていた「警察白書」の記事を警察庁は削除した。

2023年8月 社長が勾留されていた時に知らされていた「貴社側に有益であり、かつ警察側に不利益になることが明らかになるでしょう」との警視庁刑事からの内部告発の手紙の撮影が許可された。

2023年10月 公安部に授与されていた警察庁長官賞及び警視総監賞個人賞が返納された。但し宮園、安積、田村の昇進はそのままとなっている。

 

2023年12月27日 東京地裁は警察・検察の違法捜査を指摘し、国と東京都に約1億6000万円の損害賠償を命じ、原告は東京地裁で無罪確定となった。

しかしながら、安積の取調べの違法性、塚部の起訴の違法性は認められたものの判決文に宮園、渡辺の名は無く、捏造であったことも記されていない。事件の核心である警視庁公安部が経産省を説得する過程の折衝内容に関しても全く触れられていない。

 

2024年1月10日 控訴期限日に国と東京都は性懲りもなく控訴した。原告側も当然控訴し、この事件は控訴審で争われることになった。

 

公安部の全ての取調べ調書は起訴に持ち込むための捏造であった。真っ当に会社運営をしていた大川原化工機は、不当逮捕により顧客の信頼を損ね、銀行融資も打ち切られるなど、あわや倒産寸前にまで陥ったが誰1人として会社を辞める従業員はいなかった。

 

この機械の開発に携わった顧問は勾留中に進行性胃癌を発症し死亡した。東京地裁が無罪の判決を下したことを知ることなく。この無念は計り知れない。

 

この国は法治国家ではない。公安検察組織は無法地帯。反社組織さながらの行為を平然と行う闇社会。しかも法という権力を盾にして。

 

警察庁長官露木康浩は定例記者会見で「警視庁で精査した結果証拠上、受け入れることは難しいということで上級審の判断を仰ぐことが適当との結論に至った」

警視庁のトップ東京都知事小池百合子は「大変専門的な事案で警視庁の見解を尊重することにした」と

何れも意味不明のコメントをした。

 

重複するがこの捏造事件は専門的でも何でもなく、捜査幹部としては聊か知力に難がある第五係宮園の出世欲という個人的欲望が源泉であった。自己保身の為だけにのみ公安部長を動かし、公安部長新美が己の権威を嵩に懸け経産省の機器輸出規制を捻じ曲げ、それまでは認めなかった兵器転用することが出来ない大川原化工機の噴霧乾燥器を、さも兵器転用出来る装置であるとした無理筋事件である。

捏造の張本人宮園は警部から警視に昇進し、亀有署に転任した。安積は警部補から警部に昇進し蒲田署に転任した。捜査に疑問を呈していた捜査員の昇進は無かった。

 

御天道様も観音様もお見通しの、極悪非道の冤罪事件を最高裁はどう裁くのか。東京地裁で闇に葬られた、この事件の核心、己の都合の為なら善良な会社、市民を平然と罪に陥れる公安と経産省の13回に及ぶ裏取引。それらを記した大量の捜査メモは顕かにされるのだろうか。

恐らく官僚の闇は司法の場で暴かれることは無いであろう。

この国に三権分立は存在しないのだから。

法治国家基本的人権の尊重! 

ふざけるな。そんなものがどこにあるのだ。

もはや原告弁護団の奮闘を祈るしかないのである。

 

 

 

この記事はデイリー新潮、東洋経済NHKスペシャル、和田倉門法律事務所、

ウキペディア等のネット配信記事によった。

 

 

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