ウイルスの遺伝子

生物の遺伝子は細菌、真菌からヒトに至るまで全てがDNA(デオキシリボ核酸)である。

この最重要遺伝子DNAは核外に出ない。

DNAの遺伝情報はRNA(リボ核酸)に転写され、その情報に基づいて蛋白質が作られて

生物の形が出来上がる。

     DNA(2本鎖)→RNA(1本鎖)→蛋白質

これをセントラルドグマという。遺伝子の分子構造を解明したうちの一人であるクリックが名付けた。

 

但しウイルスにはこのドグマにあてはまらないものがある。ウイルスが最初に分離されたのは1936年(タバコモザイクウィルス)のことであるが以来今日までウイルスが生物であるかどうかの決着はついていない。宿主に寄生して始めてその活動を開始するウィルスは寄生しなければ只の物であるから。

 

しかしその遺伝子の多彩さには驚かされる。

以下にその遺伝子の種類を述べてみる。

①1本鎖DNA  ②2本鎖DNA 

③+鎖の1本鎖RNA(C型肝炎等)

④-鎖の1本鎖RNA(インフルエンザ、

        狂犬病 、エボラ等) -鎖RNAはmRNA

        の機能をもたないので、そのままでは

        自らの遺伝情報を伝えることが出来な                          い。

        宿主細胞に寄生し その細胞を利用し

        ウィルスが保有する酵素により

       +鎖RNAに転換し情報を伝え増殖する。

        恐ろしい程クレバーである。

⑤2本鎖RNA

⑥レトロウイルス  逆転写酵素を持つ。

    (エイズヒトT細胞白血病等)

       レトロは逆行するの意

          つまり(RNA→DNA→RNA蛋白質)

         これも自らの遺伝情報を伝えるため

         宿主の細胞を利用し、逆転写酵素

         よりDNAに変換し宿主DNAそのもの

         に成りすまし増殖する。

        

     エンベロープを持つもの、持たないもの

     遺伝子のあらゆる形がウィルスには

     ある。

     遺伝子とそれを外套のように

     包み込んで守っている蛋白質とから

     なる極微のものであるにもかかわらず。