銀座のあちこち


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東急プラザキリコラウンジの

数寄屋橋茶房、夜景が綺麗
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東急プラザ屋上テラス
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三越屋上
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左が創業明治28年の煉瓦亭。ガス灯通りに

ある。
昔ながらの仔牛カツレツ、ポークカツレツ
オムライス、ビーフシチュー等が賞味出来る

中は混んでいるが100以上の客席があり、

余り並んではいない。但し日祭日は休み。

右がやはり中華の名店、その隣にカツカレーで有名なスイスがある。

 

 

 

 

人間失格葉蔵 どうしようもない男

葉蔵とは太宰治の小説

人間失格の主人公である。

有名な第一の手記の書き出し

「恥の多い生涯を送って来ました」

は余りにも有名な文章で想わず自身の

人生にもしっくり当て嵌まるような気がして感嘆してしまった。夢中になり一気に読んだ記憶がある。以下はその粗筋である。

 

 

葉蔵は人間というものがわからない。

そこでお道化を考え付き、他人を笑わせることで生きる術を得ようとして次第にその完成度は増して行くが、こともあろうに少し知恵遅れの同級生竹一に“その術”を木端微塵に見破られる。彼を手懐ける必要性に駆られた葉蔵は耳だれをおこした竹一を自宅に連れて帰り、自分の膝の上に乗せ念入りに耳掃除をしてやったりして竹一のご機嫌取りをする。

その時「お前はきっと女に惚れられるよ」

と竹一に言われる。

葉蔵は女を虜にする何かを持っているようだ。

青森から東京へ出た葉蔵は本物の都会の与太者堀木と近づきとなり酒と女と左翼思想を知る。学校には殆ど行かずそれらにのめり込んでゆく日々だった。

銀座のカフェの女給(亭主持ち)に酒を飲ませて貰い一夜を共にする。その時はそれで終るが、堀木が現れ銀座で飲み明かそうと語り、話が纏まる。

二人ともほぼ一文無しでカフェに入り、再びその女給の世話になる。酔いつぶれた葉蔵が目覚めた時はその女が居た。明くる日、侘しさを漂わせた女の口から「死」という言葉が出て葉蔵もそれに同意し二人で鎌倉の海へ飛び込むことを決める。

葉蔵がその女と出会ってから僅か3日後の出来事だった。

結果女は死ぬが葉蔵は助かる。

自殺幇助罪に問われた葉蔵は父親の知合いに身元保証人となってもらい、その知合いの家に引き取られる。

高等学校も追放され、他人の監視下で過ごすことになったが、それに耐えられなくなった葉蔵は堀木の家に向かう。

そこで堀木を訪ねてきた女記者と出会い、その女記者と高円寺の女のアパートで1週間程同棲する。

女は離婚していて子持ちであった。

ある日、飲んで帰ってきた葉蔵が部屋に入ろうとすると親子の会話が聞こえ、この人達は幸せなんだと思い込むと部屋に入るのが嫌になり、そのまま京橋のバーのマダムの処に転がり込む。

男妾のような生活をして1年程暮らすが、近所の煙草屋のヨシちゃんと知合い、ヨシちゃんに“酒をやめて”と言われる。

「やめたら結婚してくれるかい」と葉蔵が

冗談混じりで言うとヨシちゃんは「モチ」

よと答えてくれた。葉蔵は疑うことを知らないヨシちゃんと一緒になり、春になったら二人で自転車に乗り青葉の滝を見に行こうと思い結婚する。

 

隅田川近くにアパートを借り二人で映画を見に行ったり、喫茶店に入ったり幸せな暮らしが訪れ、職業になりかけていた漫画家の仕事にも精を出す。

そうしている内、堀木が現れ夜納涼の宴を催そうということになった。アパートの屋上で宴を催している時、ふと下に降りて行った時ヨシちゃんが漫画の代金を置いて行く男と情を交えている場面を葉蔵は見てしまう。

葉蔵は再び酒の世界に溺れ、銀座裏を飲み歩く日々を送っていた時喀血する。薬局に飛び込んだ葉蔵は、そこの奥さんと顔を見合せ互いに涙する。奥さんは葉蔵のため色々なビタミン剤を取り揃えてくれた。

奥さんはどうしてもお酒がやめられないときはこれを使ってと言って特別な注射モルヒネを出してくれる。その奥さんとも仲良くなり脅しすかししながらモルヒネを手に入れる。やがて葉蔵はモルヒネ中毒となり精神病棟に送られ、癈人同様に成り果てる。

見かねた故郷の長兄が東京を離れ田舎で療養生活を送るべく手配してくれた。

その療養生活でも付き添いのオバさんと変な関係になる。

“ 今自分には、幸福も不幸もありません。

ただいっさいは過ぎて行きます。” と小説は締め括られる。

 

小説はほゞ自伝であるが太宰本人は5回自殺を企てている。そのうち2回は太宰1人で行い、後3回は心中である。

心中の1回目は小説にあるように鎌倉で入水し女性だけ死亡、2回目はカルモチン服薬で二人とも未遂に終る。3回目に太宰本人も死ぬことになるのであるが、驚くべきことに死の前年には師でもありさんざん世話になった井伏鱒二の紹介で結婚した妻との間に3人目の子が生まれ、また愛人との間にも子供が生まれている。

玉川で一緒に入水した女は、会ってまだ1年足らずの前記の愛人とは別の太宰の熱烈なファンの女性であった。

此処までくると余りに破茶滅茶で笑ってしまう。それにしても、よくもまあ女にモテたものだと感心してしまう。

 

#太宰治 #人間失格 #葉蔵 #モルヒネ中毒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しみは窓の外

ビルの谷間に沈む夕陽、星と月の輝き。

公園を彩る桜、昼休みに集う人々、色とりどりの車の流れ...

計算の手を休め、ふと窓辺により、外の景色を眺める。私の唯一の楽しみ、至福の時間。

随分と長い間、押し潰されたような狭い部屋

で私はひたすらキーボードを叩き計算を

し続けてきた。生きるために。

でも、もう終わりにしよう。

だって窓の外を眺めるだけが楽しみだなんて

余りにも切なすぎる。

何年も繰り返す同じような風景。

でも何一つとして同じものはない。

そんな風景と同様に、こうして

窓の外を眺める私自身も変わらないようで

ありながら身も心も絶えず変化しているに

違いない。

新大久保

新大久保〰️! 新大久保〰️!

かって落語家のネタでよく聞いたものだ。

彼は元ここの駅員だったそうだ。

改札口を出て左へ行けば懐かしい通学路。

右手に行けばコリアタウン、連日人で

溢れ通学していた頃には無かった賑わいを

見せる。散策に疲れたXは

暑さを凌ぎ、空腹を充たすため風月堂二階

のレストランに入り、昔ながらの西洋料理

を食する。

外界とは隔絶したような静かな空間と

幾分洒落た雰囲気に心は和む。

 

青年

盆帰りした青年に、帰る場所は無く、

会う人もいない。冷たい世間には慣れっこ

だったが祭の屋台や浴衣姿の人々を青年は

好んだ。逞しい筋肉を持て余した彼は

鬱陶しい夏の暮れ方、喧騒の街へと歩を

進めた。

懊悩と不安、恐怖と倦怠。

あぁなんという地獄だ。女達の嬌声と嘲笑。

子供等の能面のように冷然とした顔と

射る様な眼差し。

青年は世間を振り返った。

希望など持ってはならぬ。

何処に仕合わせがあるというのだ。

広袤の中に朧気な影が見えるだけだ。

得心した青年は非情な掟に縛られた街を

通り抜け、夜の公園に寝転んだ。

こうして、一夏一夏が不確かな青春を蝕んで行く。

夏はいつ終わるのか?

サラバンド

約2分程のヘンデルのピアノアレンジ曲、

荘厳で浪漫溢れる音楽である。

半年近く弾いているが、ミスタッチ無しで

弾けたのは2回位だ。大抵はどこか間違える。その間違えたところを注意して弾くが

今度は別の所を間違える。またそこも間違えないように注意すると、今まで間違えなかった場所を間違える。

たった2分程の曲なのに、

何とかならんものか。

Xは今自分だけのコンクールを目指して

弾いている。あと2日しかない。

 

それにしてもピアニストとは凄いものだ。

両方の指を自在に操れるのだから。

 

ウイルスの遺伝子

生物の遺伝子は細菌、真菌からヒトに至るまで全てがDNA(デオキシリボ核酸)である。

この最重要遺伝子DNAは核外に出ない。

DNAの遺伝情報はRNA(リボ核酸)に転写され、その情報に基づいて蛋白質が作られて

生物の形が出来上がる。

     DNA(2本鎖)→RNA(1本鎖)→蛋白質

これをセントラルドグマという。遺伝子の分子構造を解明したうちの一人であるクリックが名付けた。

 

但しウイルスにはこのドグマにあてはまらないものがある。ウイルスが最初に分離されたのは1936年(タバコモザイクウィルス)のことであるが以来今日までウイルスが生物であるかどうかの決着はついていない。宿主に寄生して始めてその活動を開始するウィルスは寄生しなければ只の物であるから。

 

しかしその遺伝子の多彩さには驚かされる。

以下にその遺伝子の種類を述べてみる。

①1本鎖DNA  ②2本鎖DNA 

③+鎖の1本鎖RNA(C型肝炎等)

④-鎖の1本鎖RNA(インフルエンザ、

        狂犬病 、エボラ等) -鎖RNAはmRNA

        の機能をもたないので、そのままでは

        自らの遺伝情報を伝えることが出来な                          い。

        宿主細胞に寄生し その細胞を利用し

        ウィルスが保有する酵素により

       +鎖RNAに転換し情報を伝え増殖する。

        恐ろしい程クレバーである。

⑤2本鎖RNA

⑥レトロウイルス  逆転写酵素を持つ。

    (エイズヒトT細胞白血病等)

       レトロは逆行するの意

          つまり(RNA→DNA→RNA蛋白質)

         これも自らの遺伝情報を伝えるため

         宿主の細胞を利用し、逆転写酵素

         よりDNAに変換し宿主DNAそのもの

         に成りすまし増殖する。

        

     エンベロープを持つもの、持たないもの

     遺伝子のあらゆる形がウィルスには

     ある。

     遺伝子とそれを外套のように

     包み込んで守っている蛋白質とから

     なる極微のものであるにもかかわらず。