秋晴のもと、日比谷から丸ノ内仲通りを歩き、三菱一号美術館へ向かった。今年の8月に「曜変天目」を見にきて以来3ヶ月振りの訪館となる。
今回の目的はドイツの画家レッサー·ユリィ(1861~1931年)の4作品を観ることだった。中でも「夜のポツダム広場」と云う作品に人気が集まっており、ポストカードが売切れるという前代未聞の出来事が起きているらしい。展示もユリィシフトしたというから余程の人気のようだ。
なのでまず、展示品売場へ向かい、ポストカードの在庫を確認した。受付でネームプレートを貰えば無料で売場へ行ける。幸い枚数は少なかったもののカードは確保できた。レッサー·ユリィのものは今回4作品が展示されているが、販売されているポストカードは2種のみだという。これ等を購入してから入館した。
イスラエル博物館の展示品が日本で公開されるのは稀であり、69点中59点が初来日となる。
1.水と風景の反映
2.自然と人のいる風景
3.都市の情景
4.人物と静物
のテーマに別れて展示されている。
そのうち2のテーマに館内写真撮影可能な作品がある。
〈美術館内から中庭を見る〉
以下は写真撮影出来る「自然と人のいる風景」の区劃に展示されているものの1部で、その場で写した。
〈レッサー·ユリィの風景〉
左の白い水面と対称的な右の建物の照明が映し出す光の帯が印象的。近くで観るとその緻密な筆遣いに驚かされる。
〈モネの睡蓮の池〉
数々の展示会でモネの絵を観てきたが、初めていいなっ!と思うモネの絵に出合った。
同じ構図の夕暮れの絵があったが、それも素晴らしい。但し夕暮れの方は日本の美術館が所蔵しているものらしく、撮影不可の部分に展示されており、残念ながらポストカードも販売されていなかった。
彼は2年後の1890年不可解な死を遂げる。
東京都美術館でも、ゴッホ展が開催されているが此方の作品の方が魅力的だ。
館内写真撮影可能。
最も注目されているのは
〈夜のポツダム広場〉
一瞬ゴッホのアルルの夜景、暗い夜空と川面に映る輝くガス灯と寄り添う恋人たちを描いた、堪らない程のロマンチックな傑作、
「ローヌ川の星月夜」を想起させた。
この絵はベルリンにある1920年代のポツダム広場の雨の情景を描いたもの。ポツダムはブランデンブルグの州都で広場の名はそれに因む。各街道の交差点で経済の中心地の一つでもあり、またナイトライフに賑わう地域でもあった。
傘をさす黒いコートを着た人々、娯楽施設ハウス·ファーターランドの灯火、ビルの照明が投影された雨に濡れた舗道の黄色い光の帯。浪漫溢れる作品に心奪われる。
〈赤い絨毯〉
窓辺で縫物をする女性。画家の遠い日の想い出なのか? 儚く、懐かしく、切なげな後ろ姿が心を揺さぶる。
何れもレッサー·ユリィの作品。館内撮影は不可でなので購入したポストカードを写した。
魅力的な作品の多い美術展だった。