嘘つきに関する序章


f:id:gaganbox:20191107111748j:image

小伝馬町界隈には30以上のギャラリー

がある。

上記の不思議なタイトルに惹かれ

REIJINSHA GALLERYを訪れた。

画家は荒木名月という長崎に住む

20代の女性である。

“記憶の断片や妄想が錯綜したような

虚構の世界を表現し、画家自らを嘘つきと

称し、初めての個展であることから

序章とした”と案内書にあった。

都内の美術館展を検索していて見つけたのが、この展示会の

最終日9/6金曜日の2日前だった。

5日は都合が付かず6日しか鑑賞の機会はなかった。

当日、日比谷線小伝馬町駅から歩いて5分位の場所にある瀟洒なギャラリーに

向かった。

晴れた暑い日だった。

 

画家は不在だったがギャラリーの若い女性の方が絵の1枚毎の意を丁寧に説明して

くれた。

 

<太陽系の企み>

f:id:gaganbox:20200121182305j:plain

<光線が墜落する>

f:id:gaganbox:20200121182426j:plain

<あなたは空で出来ている>

f:id:gaganbox:20200121182724j:plain

<的は軌道を回る>

f:id:gaganbox:20200121182633j:plain

最初の案内はがきの絵のタイトルは

<電話機は呪文を繰り返す>

 

不可思議な絵はタイトルを与えられ、

より一層虚妄の世界の深部を描き出している

かのようだ。

画家の勝手気儘な妄想は宙を駈け、発散した空想はカンバスに乱舞する。

シュールで何処となくアイロニカルな画風は見る者を惹き付ける。

 

荒木さんの絵を見ながら東京都美術館にマネの“フォリーベルジェールのバー”が来ているので興奮していることや、ゴッホの“夜のカフェテラス”や“ローヌ川の星月夜”が好きだとか、マネを支持したボードレールや終生マネの友であった象徴派の詩人マラルメについて話し込んでしまった。

絵を購入するわけでもなく、説明をしてくれた女性の方にとってはさぞかし迷惑であったに違いない。

と思われるが...

 

購入は次の機会にしよう。

江戸通りを歩き、日本橋まで出て帰ることにした。