2023年12月9日 快晴
弁天池は増上寺の境内南西部にあったが、現在は浄土宗塔頭宝珠院傍にあり芝公園の1部になっている。この宝珠院弁財天には蛇、蛙、蛞蝓がいる。「ヘビがカエルを食べ、カエルはナメクジを食べ、ナメクジはヘビを溶かす」というお互い身動きが取れない、所謂三竦み(さんすくみ)の状態をあらわす。
江戸時代、河竹黙阿弥の脚色により「地雷也豪傑譚話」として歌舞伎上演された。明治以降は"蝦蟇の地雷也"、"蛞蝓の綱手姫"、"大蛇の大蛇丸"が登場し、忍者ものとして映画化されている。
又1948年に刊行された推理小説の傑作、高木彬光の「刺青殺人事件」でもこの三竦みの物語が使われている。推理小説を2度読むことはないが私はこの論理的な推理小説を3度読んだ。三竦み云々は個人的に思い起こしたもので紅葉とは全く関係ない余計な話である。
話をもとに戻すと、この小さな池に咲くサツキ、モミジ、ツツジ等が晩秋には彩りを変え鮮やかな紅葉の季節を迎える。
宝珠院と弁天池
弁天池
弁天池から眺める東京タワー
弁天池から眺める森JPタワー
道路を渡り、東京タワーの方へ向かうともみじ台に着く。前回この地を訪れたのは丁度修復工事が行われていた時期であったから、今回もみじ台に足を運んだのは、かれこれ4年振り位になるのかもしれない。
もみじ台はもともと江戸時代に紅葉山と呼ばれていた地を明治に入り造園した人工渓谷であるが、造園者の思いも込められた名園で、急峻な傾斜を生かし、多くの樹木が植林され、滝や渓流も設えられた。イチョウ、イロハモミジ、オオモミジ、アオバモミジ、ウリカエデ、ハナノキ、メグスリノキ木等の樹木が12月初旬から中旬にかけて紅葉の最盛期を迎える。広場には椅子が設置され人々の憩いの場となっている。また芝公園駅近くには「銀世界」という渋い、幽寂の梅林があり、梅の香が芳しく漂う頃は梅花と東京タワーとのコラボレーションを楽しめる。
もみじ台の紅葉
12月9日からライトアップが始まった。
写真は12/9当日撮影した。
弁天池も、もみじ台も穴場的スポットで、都内住民にも余り知られていないようだ。都内にはこのような、小振りだが粋で洒落っぽい紅葉の名所が少なからずある。
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