2023年2月28日快晴僅に曇あり。
4つ目の最終駅西馬込で降り地上へ出た。
駅前の地図版を見ると第2京浜国道(国道1号線)に沿って歩けば池上梅園までは10分程だ。
この辺は池上本門寺一帯であり、池上梅園はその西部に位置する。
梅園は元々個人の所有地であったが庭園として残すことを条件として東京都に譲渡され、その後1978年(昭和53)大田区に移管された。
閑静な住宅街にある丘陵斜面を利用した、
都区内にある代表的な美しい梅園である。
梅は大田区の花であり、約30種、白梅150、紅梅220の計370本の梅が咲き誇る。期間限定でライトアップも行われる。面積は8500㎡、9800㎡等の記載もあるが、池上梅園のホームページ上にも記載がなく明確性に乏しい。
丘陵には階段が設えてあり、整備された小径を登ると梅園を一望出来る見晴台に到着する。見晴台には四阿が有り休憩出来る。
開花状況は70~80%
〈見晴台附近からの眺望〉
〈一重緑蕚〉(ひとえりょくがく)
〈月の桂〉(つきのかつら)
〈緋梅〉(ひばい)
〈八重揚羽〉(やえあげは)
〈見驚〉(けんきょう)
〈満月枝垂〉(まんげつしだれ)
〈竜眠枝垂〉(りゅうみんしだれ)
庭園内には2つの茶室(清月庵と聴雨庵)と1つの和室があり、茶会や俳句の会等に使用されている。
[清月庵]
[和室]
[聴雨庵]
聴雨庵の奥の奥、寂寞たる佇まいの庭に一木の紅く艶やかな座論梅と云う希少品種がある。
座論梅の矢印が付いた小さな案内札は在るのだが気付かずに通り過ぎてしまうことが多いようだ。現にこの日満開間近を迎え多くの入園者で賑わっていたがこの場には他に誰一人居なかった。
座論梅に関しては諸説あるが、池上梅園の座論梅は1つの枝に対になって花が咲き、又実も成ることから、中国の賢人が向き合って論談を交わしている姿に似ていることが謂れとされている。
〈座論梅〉(ざろんばい)
〈古郷の錦〉(こきょうのにしき)
〈真鶴〉(まなづる)
〈黒雲〉(くろくも)
〈鹿児島紅〉(かごしまこう)
〈花香美〉(はなかみ)
[水琴窟]
蹲踞や縁先手水鉢の鉢前に壺甕を埋設し、手水の余水が伏甕の底に溜まった水面に滴り落ちるとき、甕の空洞で共鳴し琴の音(ね)に似た妙なる音を響かせる。元々は手水の余水排出装置から発祥したと云われる。
ここでは左に置いてある竹筒を中央の3つの石の中心に添えて耳を当てると反響する涼やかな水の音が聴こえてくる。
鴛鴦(えんおう)
〈思いのまま〉1本の木に白と紅の花が咲き、年毎に色の配分や場所が異なる
〈唐梅〉(とうばい)
〈呉服枝垂〉(ごふくしだれ)
〈玉光枝垂〉(ぎょくこうしだれ)
〈白加賀〉(しろかが)
〈紅千鳥〉(べにちどり)
〈玉垣枝垂〉(たまがきしだれ)
〈豊後〉(ぶんご)
〈藤牡丹枝垂〉(ふじぼたんしだれ)
[薬医門]
[白梅と都営浅草線]
浅草線は池上梅園傍の架橋を通りスイッチバックして西馬込の車両基地に入る。
園外にある思いのまま
池上梅園から池上本門寺迄は徒歩10分程で着く。帰りは池上駅から東急池上線に乗り蒲田迄行くことにした。
池上本門寺総門
本門寺の長い階段は「法華経」宝塔品の偈文(げもん)96文字に因み、96段に構築され、別称を「此経難持坂」と云う。加藤清正の寄進によって造営されたと伝えられている。
結構な急坂である。
階段の中程に咲いていた桜
本殿
本殿を下ると紅葉坂、更に下ると朗峰会館が在る。
朗峰会館は本門寺境内にある複合施設。
1階に人形町今半があり、名園「松涛園」を見ながら食事が出来る。やや高級なランチである。当初ここで昼食を摂ろうと思ったが満席で数名が待って居たので断念した。
それではと思い境内にあるカフェレストランに入ろうとしたがこちらもやはり満席であり、更に数名が並んで居たので此処も断念。
已む無く、池上駅へ向かって歩いて行った処、由緒ある葛餅の甘味処を発見、席も空いているようなので、ここで食を満たすことにした。
門前町であるからか葛餅等(池田屋では久寿餅と書く)和の甘味処が多い。池田屋は江戸時代から続くこの地の老舗。
5つの中から暖かいおしるこを選び、鬱積していた上野のみはしの溜飲を下げることが出来た。
池上駅前商店街
池上駅は瀟洒な5階建のステーションビルになっていた。長い時の流れを感じた。
2階にある「しぶそば」
かき揚げ蕎麦
2階「しぶそば」から見る東急池上線
池上駅のホーム