アークヒルズ音楽祭2019秋

午後はコンサート三昧の予定でいた。

都合良く仕事は時間内に終わったので、京野はまず新宿の小田急百貨店へ向かった。そこで14時から開演されるマンハッタンミニコンサートを聴き、終了後サントリーホールへ向かい、アークヒルズで行われるスクリーンコンサートの実行中継を観る予定だった。新宿へは何とか間に合った。

小田急マンハッタンミニコンサート>
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今回はピアノとヴァイオリンの演奏で、演奏者はヴァイオリン西浦詩織さんとピアノは

丸木かすみさん。曲目はミニコンサートでもあるし演奏時間は全体で約30分位である。その後演奏家達と客との交流の場がある。時間の制約から小品または曲目のうちのひとつ楽章のみの演奏が多い。今回はチャイコフスキーの”懐かしい土地の想い出”からと”モーツアルトのヴァイオリンソナタK304二楽章“、”ピアソラのイベルタンゴ“、そして最後は”モンティのチャールダッシュ“という曲だった。私は不覚にもこの最後の曲が分からなかった。演奏前に紹介を受けたはずだが知らない作曲者なので記憶に入らなかった。演奏後改めて質問した。「作曲者は誰で、クラシックなのですかと」それによるとヴァイオリン演奏上は可なり有名な曲で、様々な演奏者の演奏がYouTubeに挙げられている。イタリアの作曲者でヴィットーリオ・モンティ(1868~1922)の曲で、曲名はチャールダッシュという。

モンティはこの一曲のみで今に演奏されるまでに至っている。哀愁を帯びた軽快なメロディーが京野の好みに合った。西浦さんの乗りに乗った演奏が忘れられない。

 

小田急百貨店を出て、丸ノ内線に乗り、四ツ谷南北線に乗り換え六本木一丁目で降り、カラヤン広場へ向かった。10/5(土)のサントリーホールでの公演は17:30~がヴァイオリン川久保賜紀、チェロ遠藤真理、ピアノ三浦友里枝トリオによる、ラベルの亡き王女のためのパヴァーヌマ・メール・ロア(いずれもピアノ三重奏曲版で)・ピアノ三重奏曲イ短調。の三曲であった。(サントリーブルーローズホール)

その後が指揮ラクリン、ヴァイオリン三浦文彰、ピアノ辻井伸行&ARKシンフォニエッタによる、モーツアルト:ディベルトメントニ長調K.136、バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲に短調BWV1043、ショパン:ピアノ協奏曲協奏曲第1番ホ短調OP11(弦楽合奏版)がサントリ(サントリー大ホール)で行われる。チケットは早々に売り切れており、会場には入れないが生演奏の模様がカラヤン広場のビュースクリーンに映し出される。

広場のもかなり座席が用意され、こちらの方は全て自由席だが、席を離れると他の客に取られてしまうので、京野は広場近くのヒルズカフェで軽食を求め、座席を取った。

カラヤン広場に着いたのは15:30頃であったが、17:30の開演まで前年度の演奏が放映されていた。ドヴォルザーク弦楽四重奏曲アメリカ」とシューベルトピアノ五重奏曲「ます」であった。いずれも有名な曲であるが「アメリカ」は未だしも、「ます」などは何回聞いてもその良さが分からない。総じてロマン派の音楽は退屈だ。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調OP64を除いては。

サントリーARKヒルズコンサート>
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開演間近になると、舞台で曲目、演奏者の紹介が行われ、演奏が開始された。

夕方になり風が出てきたので京野はカーディガンを羽織った。何とはなく聴いていたが後半バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲が演奏されたときは、「安心感というかやはりバッハはいいな」と感じた。最後はショパンのピアノ協奏曲第1番とあるが、ショパンには2番目のピアノ協奏曲である。2番より有名で良く演奏されるが、2番も悪くない。

しかしいずれも感動を誘う迄ではない。

それよりもアンコール曲でショパン夜想曲嬰ハ短調20番遺作が演奏されたことは、何よりの収穫だった。京野はショパンの曲の中ではこの夜想曲1番と20番遺作が悲しいほど好きなのだ。演奏が終わったのは21時前位であったろうか。電車の移動が若干あったにせよ実に京野は14~21時迄の7時間音楽を聴いていたことになる。

ショパンの遺作が耳に残る中六本木を後にした。