《2019 》鷲神社の酉の市

酉の日は12日置きに巡ってくる。鷲神社は「おとりさま」として親しまれ、毎年11月(霜月)の神祭の日の酉の日を例祭日と定め、その日は70~80万人の人出で賑わう。

おとりさまは主に関東の祭りであるが、中でも鷲神社の「おとりさま」が最も名高い。

祭神は天日鷲命日本武尊である。天照大神が天の岩戸にお隠れになったとき、世界は闇に包まれた。困り果てた神々は天宇受賣命の舞踊りとお囃子で何とか天照大神を岩戸から引き出したのだが、その時弦を奏でた神様の弦の先に鷲が止まり、八百万の神々は世を明るくする鳥だと喜び、弦を使った神を天日鷲命と呼ぶことにした。

また、日本武尊は東方の夷敵征伐の折、戦勝祈願に立ち寄られ、見事志を遂げられた後、社殿の前に武器の熊手をかけて戦勝祝いの礼をされた。その日が酉の日であったことからこの日を鷲神社の例祭日と定めた。

始めは酉の祭(酉のまち)と呼ばれたが、祭りに市が立って、いつの間にか酉の市として親しまれるようになった。

十一月の酉の日午前零時に打ち鳴らされる「一番太鼓」を合図に祭りが執り行われる。今年(2019)年は11月8日と11月20日の二の酉までになる。

 

一の酉の日、天候が良かったので上野から鷲神社まで歩いたみた。30分程かかったろうか。熊手150、屋台800に及ぶ店々は境内に入りきれず国際通り沿いの三ノ輪駅の方まで列なり、裏手は吉原神社の路地まで溢れかえる。

重ねて江戸の頃は酉の市の日、新吉原(旧吉原は今の日本橋にあったが明歴の大火で焼失し、当時江戸の外れにあった千束町に移転した。尚、この大火で江戸の3/4が焼け出され、江戸城天守閣も焼失、以後天守閣は再建されなかった)は一般にも解放され、大変な賑わいを見せたようだ。

 

<もうすぐ国際通り>

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<境内入口>
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<飾られた熊手の数々と提灯>
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<熊手は値切って買い、店と交渉が成立すると手拍子をし、値切る前の値段で買う。

差額は祝儀として店に渡す仕きたりらしい、この日もあちこちで手拍子が聞こえた>
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<サンリオの熊手>
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<暮時の鷲神社、帰る頃は最も混雑が激しかった>

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<新吉原近くの売店>
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縁起物には無用の私は、吉原神社附近にあった柿売場の出見世で「岐阜の柿は美味しい」と皆並んで買っていたのに釣られて柿を買った。帰宅後食したのだが格別美味しいという程でもなかった。

 

 <吉原神社>

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<吉原大門跡>

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<見返り柳> 吉原の帰り、この場に来るとその楽しかった一時の名残を惜しみ吉原の方を振り返ったそうな。

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<花吉原名残碑>

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春を待つことのはじめや酉の市   其角

人並に押されてくるや酉の市       虚子