虹色ガガンボウィルス

このようなか弱いガガンボの幼虫を宿主として感染するウィルスがいる。

ティプラ・イリデッセント、通称虹色ガガンボウィルス。

1933年電子顕微鏡が開発されて以降、初めてウィルスというものが観察されるようになるが、当初その見え方は朧気なものであった。

 

1964年アメリカの物理学者ウィリアムズは影づけ法と呼ばれる画期的な方法を開発し、このウィルスの形状を明らかにした。

 

精製されたこのウィルス粒子は精巧な正20面体結晶形をしており、何と虹色オパール状に輝いていた。

ウィルスの大きさは様々だが、概ね1mmの

約1万分の1~2の大きさである。そのウィルスが3次元空間で最大の面積を持つ正多面体を形成していたとは正に驚くべきことである。

 

この影づけ法以降幾つかの方法が開発されウィルスの多彩な形状がやがて次々と明らかになって行くのである。